Synopsis
西暦2278年。
海の向こうには何もない。
少なくとも、日本では二百年以上そう教えられてきた。
能登の監視所で働く南雲涼は、ある朝、水平線に黒い物体を発見する。
帆がない。
煙もない。
見たことのない方法で海を進み、日本の岸へ近づいてくる船。
やがて、そこから一人の人間が上陸する。
彼は日本語を話した。
「何をしに、日本へ来た」
その問いに、男は答える。
「——死にに来ました」
世界から切り離された日本と、250年間進み続けた世界。
壊れたら交換する文明。
壊れても直し、寿命まで使い切る文明。
二つの人類が再び出会ったとき、2028年に日本が選んだ「鎖国」の意味が、少しずつ明らかになっていく。
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