Synopsis
母の「あなたはしっかりしてるから」で、進学も、部屋も、実家の用事も、全部を妹に譲ってきた三十四歳の長女・みずき。
父の入院をきっかけに、手続きも介護も、家のことは何もかも彼女に回ってくる。妹は「私にはムリだから」と逃げ、母は「あなたが決めてちょうだい」としか言わない。
二十年分の「しっかりしてるから」を、ある日、彼女は静かに置いていくことにした。
「私、もう、しません」
奪い返さない。責めない。ただ、手を引くだけ。
それでも、家は――彼女がいなくなった場所から、動きはじめる。
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