Synopsis

「人質花嫁に価値はない。生きて戻る算段は不要です」 そう言って祖国は、第二王女ミレイユを敵国へ差し出した。 婚礼の翌朝。内側から施錠された寝室で、目を覚ました彼女の胸の上に、黒い封書が載っていた。 『死亡予告 明日正午、皇帝は祝宴で乾杯の杯を飲み、毒によって死亡する。 本状を破損した場合、死亡時刻は破損した時点まで繰り上がる』 差出人はない。届く先はミレイユだけ。毎朝一通、翌日の死をただ一件だけ告げる。 彼女に武器はひとつしかない。一度会った人の顔と、その人が話したことを、決して忘れないこと。 祝宴の給仕は、婚礼の夜「右手を火傷して杯が持てない」と話していた。なのに今、布を巻いているのは左手だ――。 冷酷と噂される皇帝は、婚礼の誓約の直前、ただ一度だけ彼女に選ばせた。「拒むなら、今ここで言え」と。 その言葉があったから、彼女は自分の意思でこの国へ嫁いだ。そして今、その意思こそが、封書が彼女のもとへ届く理由になっている。 明日の死を、七度覆せ。 覆すたびに予告は書き換わり、次に死ぬのは彼女自身になる。 ――これは、誰にも必要とされなかった人質花嫁が、自由を手に入れたうえで、自分の意思で皇后の座を選ぶまでの物語。

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Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou08/19/2026
  • Current「人質花嫁に価値はない」と見捨てられた私、明日の死亡予告を完全記憶で覆し続けた結果、自由を与えられたうえで帝国唯一の皇后に選ばれました