Synopsis
「……って」
夜の駅前。おれは思わず声を漏らした。
すれ違いざまに肩がぶつかった――いや、違う。ぶつけられたのだ。
おれは足を止め、素早く振り返った。
――あいつだ。
歩道はかなり混み合っていた。仕事帰りのサラリーマンや学生、カップル、主婦、老人。人の流れは途切れることなく続いていたが、それでも相手はすぐに特定できた。
なぜなら、そいつはおれだけでなく、他の通行人にもぶつかりながら歩いていたからだ。
――ぶつかりおじさんだ……!
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