Synopsis
十二歳の夏が、数百年続いた。
何を失っても、朝になれば八月一日に戻る。
水瀬晶は、その一か月を繰り返した。
数え切れないほど失敗し、戦い、救って、また八月一日へ戻された。
そして数百年の末、自分の手でループを終わらせた。
戻れば、失ったものも戻ってくる。
それでも晶は、九月一日を選んだ。
――それから五年。
遺物〈アーティファクト〉が社会に組み込まれた現代日本。
十七歳の高校二年生になった晶は、生徒会の仕事と文化祭の準備に追われている。
だが、買い出し先で起きた小さな遺物事故が、その日常を動かした。
「この記録の運用期間、あなたの年齢より長いんだけど」
数百年ぶんの経験は、すべて残っている。
戦い方も、救い方も、何度も失敗して身につけた判断も。
街ひとつを切り分ける力も。
ただし、もう未来をやり直すことはできない。
誰よりも多く失敗したからこそ強い少年が、やり直しのきかない現在を生きていく物語。
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