Synopsis

十年間で、五度。わたしは断罪劇を書き記した。 五人の令嬢が大広間で罪を読み上げられ、名簿から名を削られ、国境の向こうへ消えていった。 王城記録官の仕事は、ただ書くこと。口を挟んではならない。 千二百二冊の記録簿だけが、わたしの証人だった。 そして六度目。石の円に立たされたのは、わたし自身だった。 婚約者である第二王子が読み上げた罪状は——十年前、一件目の断罪で読まれたのと、 一言一句、同じ文言だった。 その瞬間、記録官は初めて口を開く。 「恐れながら。過去五件の断罪状を、いま、読み上げてもよろしいでしょうか」 魔法のない王国。武器は、十年分のインクの染みだけ。

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Kakuyomu
Kakuyomu08/07/2026
  • Current王城記録官の私は、十年間で五度の断罪劇を書き記した。六度目の被告は、私です