Synopsis

買わなかった魚。行かなかった道。言わなかった言葉。 この都では、それが空に浮かぶ。 選ばなかったほうを体の外へ手放すので、誰も迷わない。仕事は速く、正しく、静かに進む。橋は落ちない。屋根は漏らない。 私は西の端を測る測手だ。端までの距離は七年間、一二〇〇のまま動かない。地図の左端にはこう書いてある——ここより先、近づけず。行けない、ではない。 その年、空を一枚も持たない娘が見つかった。十六。名を唯という。誰も彼女に近づけない。 私だけが、近づけた。

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Kakuyomu
Kakuyomu08/06/2026
  • Current無言の塔