Synopsis
嘘は一つもなかった。
誰も「殺せ」と命じていない。
それでも、一人の男が死んだ。
深夜、実業家・黒崎剛志のもとへ、異なる理由を抱えた三人が動き出す。
不正の責任を負わされると知った社員。
十二年前に亡くなった娘の証言を受け取った母親。
共同事業の金を奪われたと考えた取引相手。
彼らに届いたのは、それぞれ異なる、すべて本物の情報だった。
行動を指示した者はいない。
彼らは、自分の意思で黒崎のもとへ向かった。
事件を追う刑事・御堂朔也は、その方法が、一年前に高校生・神崎湊が授業で示した「人を動かす回答」と一致することを知る。
幼なじみの高瀬玲だけは、もっと早くから気づいていた。
湊は嘘をつかない。
問われたことにも、正しく答える。
ただし、答えに含める事実を選んでいる。
真実だけを渡し、命令せず、最後の判断を相手に委ねたなら――
その先で人が死んでも、罪は誰のものになるのか。
誰も手を下していない死をめぐり、「正しさ」と「責任」の境界を問う青春SFクライムミステリー。
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