Synopsis
人間種が「短命種」と蔑まれてきた、多種族世界。
グランド・オルセン、六十一歳。現在は人食い植物ばかり育ててしまう壊滅的な農家だが、その正体は、かつて命令一つで国を滅ぼした国家最重要危険人物だった。
そんな過去を知らない新人監視官リシェルは、彼を昔の権力者か護衛対象くらいに考え、種の蒔き方や買い物の仕方といった、ごく普通の常識を教えている。
グランドにとって彼女は、剣を置いてから初めてできた友人だった。
だがある日、リシェルは本人の希望による異動を装い、長命種の白銀公アルヴァーンに連れ去られる。机に残されていたのは、グランドと来年も農業を続けるための栽培計画だった。
異動通知が偽物だと見抜いたグランドは、十二年間封じていた剣を取り出し、二人の元仲間へ声をかける。
表向きはお菓子作りの先生、今も現役の暗殺者サロメ。
安全より口径を信じる、狂人兵器職人バルガス。
かつて三人は、善悪を問わず命令を遂行する兵器だった。
今度は命令も報酬もない。
ただ一人の友人を迎えに行くため、三人の老工作員が再び戦場へ向かう。
Serialization Info
Web Novel