Synopsis

「互いの家の祝いの席にも弔いの席にも、二人で立つ」——夫婦で交わした婚礼の日の取り決めを、十五年守ったのはわたくしだけでした。「行けない」とおっしゃる日々、あなたは別の楽しみの席にいらしたのに。 どの家の祝いに誰が立ち、誰の弔いで誰が頭を下げるか。それを覚えているのは、立ち続けたわたくしだけでございます。 わたくしは何も暴きません。対の懐中時計のあなたの分を大叔母さまへお返しし、名代を降りるだけ——取り決めの、正式な終い方でございます。 ——次の弔いで、あなたの隣は空いておりました。どなたが十五年席を保っていたのか、皆さまはそこで初めてお気づきになります。

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Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou08/05/2026
  • Current見限りは静かに——十五年、約束の席に立ったのは私だけ。対の時計を返した日から、あの家の隣は空席です