Synopsis
核戦争は文明をほとんど無に帰した。
白砂の海から、生えるように埋まったビル群。
それは街だった。
街には、青年と、ロボットの生き残りのふたり組がいた。
人間のカオル。
ロボットのフウカ。
ロボットは、その時代には珍しかった。
ロボットが動けるのは、そのコアである水晶振動子の周期振動のおかげだった。
正確なリズムを刻む水晶を持つフウカは、街の時計代わりとして、日に二十四回の鐘つき人を担った。
街に今年も、白夜の季節がやってきた。
白夜の間、時を把握するのには、鐘つきの音だけが頼りだった。
白夜で鐘つき人がいなかったら、時は経たないも同じ。
時計がないのだから、時はない。
白夜の中、青年が誕生日を迎えた。
青年は死の灰に冒されていた。
最後の誕生日と思われた。
鐘つきのロボットは青年のために……
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