Synopsis

反乱は、37回目だった。 200人の兵が玉座の間になだれ込んでも、アルヴィス王は肘掛けを撫でるのをやめなかった。 石の玉座だ。据えられた当初は角が指に刺さって痛かったが、今は丸い。撫でているうちに削れた。 「君は、喋る前に左の眉を一度だけ触るな。君の7代前の当主も、同じことをした」 彼は将軍の周到な計画を最後まで聞き、こう告げる。 「4日後、君は自分の副官に刺される。200年前にも、同じ計画があってね」 4日後、その通りになった。傷の位置まで同じだった。 彼は1000年、この国の王をやっている。 若い貴族が命を賭ける陰謀は、彼にとっては300年前に見た手口でしかない。 だが、どれほど優秀な臣下も40年で失う。 300年前の正解は、いまは間違いになる。 そして彼は、自分がなぜ死なないのかを、まだ知らない。 一番強い人間が、一番何度も見送る。 これは、そういう王の話である。

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Kakuyomu
Kakuyomu08/03/2026
  • Current千年、王をやっている