Synopsis
定時で帰る文官アルトの本業は諜報員である。
もっとも、本人が現場へ出ることはあまりない。
六つの国家にはそれぞれアルトの分身が潜り込んでおり、将軍や商会長、侯爵として勝手に出世しながら活動しているからだ。
毎晩行われるのは助手リリーとの報告会。
「戦争が終わりました」
「そうか」
「王家の借金を買いました」
「そうか」
「侯爵さんがまた面倒事です」
「そうか……」
今日も各国から依頼が届く。
そして大抵の場合、面倒事の中心にはアルトの分身がいる。
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