Synopsis
俺はMMORPG『クロノ・クロニクル』の、とあるモブキャラに夢中だった。
常にバカでかい巨剣を背負い、重たい過去を滲ませ、意味深なことだけ言って立ち去る渋い中年。
それが俺の推し、『シブ・スギータ』だ。
ある日、俺は目覚めるとシブ・スギータ本人になっていた。
意味がわからない。
しかもすぐ近くで、ウェイってる青年たちが幼女を虐めてるじゃないか。
『こ、ここはっ魔神様が封印された神殿跡、暴れないでっ』
『魔王よ、死すべし! エクスカリバアアア!』
『わ、分からず屋の勇者めっ! デッドリィ・ポイズン!』
最古の遺跡。それは頂上決戦に相応しい舞台。
そんな激戦のど真ん中に、俺——尋常じゃない渋さをまとった中年が、平然と現れてしまった。
『ふう、これが俺の身体(うつわ)か……』
『『!?』』
身体の具合を確かめていると、ウェイ青年と角アリ幼女の双方が同時に硬直する。
『ま、まさか、僕たちの戦いで……封印が、解けた……?』
『魔神様を目覚めさせた、みたい……?』
ただの凡人は奇跡的な偶然が重なり、色々な人たちから大物だと恐れられ、一部の者にはなぜか崇拝されてしまう。
『やれやれ……古傷が、うずくな……(虫歯)』
その態度は周囲に「多くを失ってもなお、戦場に立ち続ける歴戦の男」と誤解され……そんな生き様(ロールプレイ)が、異種族ヒロインたちを大いに曇らせてゆくのであった。
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