Synopsis
「お前の星読みは古臭くて金にならない」
社交界の華やかな広間で、第二王子ライオネルに婚約破棄を宣言されたセレネ・フォン・アストレイド。新式鑑定の天才ミアに取って代わられ、ギルドからも追放されてしまう。
だが、彼女は前世で望遠鏡のレンズを磨き、光の屈折を学んだ星好きの記憶を持っていた。
追放の際、廃棄棚から持ち出したのは、誰も使えないと言われる『割れた万華鏡』。ヒビが星を歪ませる不良品——しかしセレネの目には、それが“分光”によって「裏側の星」を映し出す、唯一無二の精密鑑定装置に見えていた。
隠れた才能、潜んだ呪い、寿命の兆し。表の星座しか読めない普通の鑑定では決して届かない“真実”を、彼女だけが読み解ける。
「金にならない星読み? 上等。私は“真実だけ”を読む鑑定士になる」
そう呟いた瞬間、万華鏡から生まれたもふもふの光球ノクスが、彼女の相棒に。冒険者ギルドの姉御肌な受付嬢オルガに助けられ、命がけの冒険者たちに本物の鑑定を届けていく。
やがてその噂は、強面で不器用な竜人アルデバランの心をも動かし——。
捨てられた者たちの隠れた才能を映し続ける、静かで温かな異世界鑑定譚。本物の価値は、いつだって割れた星の裏側に隠れている。
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