Synopsis
頭上を覆うデブリの環によって太陽を奪われ、永遠の極夜と極寒に閉ざされた地球。
人類が生き残るための「宇宙船」へと群れをなして逃げていく中、
息苦しい社会のレールから外れた少女・佐々木真琴は、誰もいない旧校舎で一人の少女と出会う。
桜井つむぎ。
色褪せたコートとぶかぶかのニットに身を包み、古いフィルムカメラで「終わっていく世界」を撮り続ける儚く美しい少女。
「また、苦しくなったら来るといいわ。逃げ場所くらいにはなると思うから」
極寒の特別教室。小さなストーブの火。分け合うスープ。
そして、毛布の中で重なり合う体温。
外の世界で狂乱する群衆をよそに、二人は箱庭の中で甘く、濃密な時間を重ねていく。
しかし、甘美な日常の裏には、つむぎがひた隠しにする「残酷な真実」が潜んでいた。
――「真琴ちゃん。あなたは、あの宇宙船に乗りなさい」
――「嫌だ。大勢で生き残る未来が正解だって言うなら、わたしは喜んで間違いを選ぶ!」
これは、全人類が選ぶ「正解の未来」を蹴り飛ばし、たったひとりの少女に人生を、未来を捧げた話。
二度と巻き戻せないフィルムの最後に、彼女たちが焼き付けた景色とは。
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