Synopsis

「お前のような不吉な力、聖女の名にふさわしくない」 『魂が視える』という力ゆえに、義妹の策略で神殿を追放された聖女・灯。前世では過労で倒れるまでパンを焼き続けた、橋のたもとのパン屋の店主でした。 「私を捨てたこと、そのうち後悔しますよ」――そう言い残して神殿を去った彼女は、力尽きて倒れ、目を覚ますと『光の川の渡し場』に立っていました。そこは、死者の魂が次の世界へ渡るための船着き場。けれど、船頭は引退寸前の老人ただ一人、行列は延々と続き、不安に泣く魂たちであふれていました。 荒れ果てた渡し場を見渡した灯は、粉まみれのエプロンの紐をきゅっと結び直します。 「――これ、私の出番だ」 かまどに火を入れ、小麦粉をこねて。あの世だろうとなんだろうと、やることは同じ。心細い魂たちに、温かい焼きたてのパンを差し出して。三重の声で鳴く黒い番犬ケルベーにも懐かれ、渡し場は少しずつ賑わいを取り戻していきます。 そしてある日、渡し場を訪れたのは、対岸へ渡ることを頑なに拒み続ける一人の魂。国宝級の武勇を誇る最強の竜人騎士が、ただ一つの願いのために、彼女を待ち続けていて――。 「焼きたて、ありますよ。――おかえりなさい」 これは、追放された役立たず聖女が、あの世の渡し場でパンを焼きながら、いつのまにか国家の命運を握ってしまう物語。そして、失ってから気づく不器用な竜人と、もう一度出会う物語の、ほんの始まり。 さ、次の方、どうぞ。焼きたて、ありますよ♪

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou08/01/2026
  • Current捨てられ聖女は光の川の渡し場でパン屋を開く〜「役立たず」と追放されたけど、死者のもてなし係は私が独占するのでお構いなく♪〜