Synopsis
~登場人物の紹介とあらすじ~
【登場人物の紹介】
◆涼華
城下の料理屋「柚葉亭」で働く、二十歳の料理人。
味や匂いのわずかな違いから、食材の産地や調理された状況まで見抜く鋭い感覚を持つ。
冷静で口が悪く、相手が若殿であっても容赦しない。一方で、困っている者を見捨てられない性格。
◆博仁
篝藩藩主の弟で、月影離れに暮らす二十六歳の若殿。
十六年前の火災をきっかけに発作を患い、長く屋敷の外へ出ていない。
人懐こく前向きで、料理や持ち込まれた品に残る小さな違和感から真相を導き出す、安楽椅子探偵の才を持つ。
◆鶴吉
涼華の養父であり、柚葉亭の主人。
不器用ながら涼華を深く愛しているが、彼女の出生と十六年前の火災について秘密を抱えている。
◆崇登
誰かが困っていれば、考えるより先に駆けつける青年。
食い意地が張っているものの情に厚く、涼華たちの調査へ思いがけない形で関わってくる。
◆麻優子
城下の神社に仕える、涼華の幼なじみ。
信仰心が厚く、薬草や土地の伝承にも詳しい。涼華の過去を知る重要な人物。
◆森羅
博仁の教育係を務めてきた学者。
博識で話が長く、尋ねられていないことまで説明する。十六年前から七人の子どもを守るため、ある秘密を抱え続けている。
【あらすじ】
城下の料理屋で働く涼華は、月影離れに閉じこもる若殿・博仁の料理番を命じられる。
初めて届けたのは、何者かによって焦がされた七つの団子。
失敗作として捨てようとする涼華に対し、博仁は団子に付着した灰、包み紙の折り方、配膳札の汚れから、城内で起きた味噌壺の消失を言い当ててしまう。
口の悪い料理番と、外へ出られないおしゃべりな若殿。
反発しながらも二人は、料理に残された手掛かりをもとに、城下で起きる奇妙な出来事を解き明かしていく。
夜風汁、栗おこわ、梅花すまし、塩むすび――。
別々の場所から届けられる料理には、十六年前の火災で死亡したはずの七人の子どもたちからの合図が隠されていた。
さらに、博仁の発作を引き起こす黒い香、内側へ秘密を縫い込まれた手袋、改ざんされた死亡記録が、涼華自身の失われた過去へとつながっていく。
「あなたは一人で考えすぎです」
「では、これからは君と二人で考えよう」
料理が結ぶ七人の命と、十六年前に交わされた約束。
すべての謎が解けたとき、涼華は自分が帰るべき場所と、共に朝餉を食べたい相手を選ぶ。
和風ロマンス×料理×安楽椅子探偵。
焦げた団子から始まる。
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