Synopsis
ある夏の朝、クマゼミが奇妙なリズムで鳴き始めた。
シャン、シャンシャン。シャン、シャンシャン――。
神楽鈴を思わせるその鳴き声は、SNSをきっかけに全国へ知れ渡っていく。
博物館が調査に乗り出し、マスコミが取材に訪れ、やがて地元では「神楽蝉」と呼ばれるようになった。
そして人々は、その蝉に願い始める。
雨が降りますように。
暑さが和らぎますように。
ご利益がありますように。
神社もまた、この奇妙な蝉を利用して御守りを作り始める。
これは、神様の物語なのか。
それとも、人間が勝手に神様を作ってしまった物語なのか。
シャン、シャンシャン――。
その蝉が鳴かなくなったとき、残されたのは大量の御守りだった。
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