Synopsis
「戦力外だ、ガイウス」
十五年仕えた傭兵団を、たったひと言で追われた四十二歳、ガイウス・ヴォルフ。次に回ってきたのは、王国中の誰もが押しつけ合った末に行き着いた、最果ての辺境地。魔物は出る。税収はない。前任の代官は三ヶ月で逃げ出した。誰がどう見ても「詰み」の左遷先だ。
だが、幾多の激戦を生き延び、地形を読み、兵站を組み、修羅場をくぐり抜けてきた男にとって、それはただの「使い古された戦場」に過ぎなかった。派手な魔法も、選ばれし血筋もない。積み上げてきたのは、生き残るための地味で確実な仕事の流儀だけだ。
誰にも期待されていない土地で、ガイウスは今日も淡々と己の仕事をこなす――この辺境が、やがて大陸最強クラスの要塞と呼ばれるようになるとも知らずに。
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