Synopsis
侯爵令嬢アマーリエ・フォン・クロイツは、十六歳になっても一体の人形を大切に抱いていた。
金髪に翠の瞳。
幼い頃、両親から贈られた大切な人形。
けれど学院では、その姿を「気味が悪い」と囁かれ、婚約者からも人前へ連れてこない方がいいと言われている。
そんなアマーリエが出会ったのは、鍬と鋤と砥石を持って王都の学院へやってきた少女、ソレイユ・アイゼンフェルト。
畑仕事が好き。
馬の世話も好き。
人からどう見られるかには、あまり興味がない。
そして何より、ソレイユは男爵令嬢ではなかった。
十六歳にして父の爵位を継いだ、れっきとしたアイゼンフェルト男爵だった。
「大切なんでしょう? なら、大切にすればいいのでは?」
ソレイユのあまりにも単純な言葉に触れ、アマーリエは少しずつ顔を上げていく。
一方その頃、ソレイユの故郷では、彼女の知らないところで「次期女男爵」の話が進められていた。
人形を抱く侯爵令嬢と、鍬を持つ男爵。
好きなものを手放さない二人が、それぞれの未来と、自分だけの「翠の夢」を見つけるまでの物語。
『悪役令嬢人形譚』第二作。
前作未読でも、一話完結としてお楽しみいただけます。
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