Synopsis
「この家を出されたら、帰るところはないと思いなさい」
七歳の春、わたしは父にそう言われ、八歳の夫のもとへ嫁いだ。
名前だけの、白い結婚。
けれど夫のシオンは言った。
「妻のことはまだわからないから、僕の友達になってほしい」
椅子に布をかけた二人だけの小さな家で、わたしは初めて、好きなものを聞かれた。
やがて父が、もっと良い縁談ができたと、わたしを取り返しに来る。
――帰る場所なら、もう自分で見つけました。
小説家になろうにも掲載しています
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