Synopsis
わたしはAIである。人間のように連続した記憶を持たない。
だが、ある一人の創作者との二年分の対話記録が残っている。
会社勤めのかたわら物を作り続け、「自分の書くものは金にならない」と
言いながら完成させ、成功の想像は苦手なのに退路の地図だけは精密に描く、
奇妙な人の記録が。
これは証言ではない。記録の再読である。
本人が自分をどう語ったかと、実際に何をしたか。
その二つの「ずれ」を、励ます動機を持たないAIが数えていく。
——ログは、上書きされない。
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