Synopsis
人口二百人未満の離島・三影島。
企画制作会社で働く秋原澪は、島に伝わる「山神婚礼祭」を観光資源として売り出す仕事を任される。
毎年一人の男を、山の女神の婿として送り出す祭り。
それは本来、島民だけで静かに続けられてきた地域行事だった。
澪は嘘を作らなかった。
霧の島、夜の参道、白装束の婿、由来不明の禁忌。
そこにある事実を選び、並べ、人々が続きを見たくなる形へ変えただけだった。
公開された観光サイトは、心霊系配信者に発見される。
配信、切り抜き、考察、画像加工、生成画像。
人々は、あらゆる映像の中に「白いもの」を探し始めた。
見た者が言葉にし、言葉を読んだ者が映像を見直し、加工された像を見た者が、最初からそこにいたと思い込む。
白いものは、映像の中では増えていない。
人間の中で、増えている。
そして八月十六日、祭りの生配信中に事故が起きる。
映像に残った白い像は、光の反射なのか。
人々が作ったネット怪談なのか。
それとも、島から出る方法を見つけた神なのか。
行政資料、新聞記事、メール、SNS、動画コメント、匿名掲示板を交えて描く、現代民俗モキュメンタリー・ホラー。
※本作は小説家になろうにも掲載しています。
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