Synopsis

蛙。  僕が周りからそう呼ばれているのは足のせいだった。  生まれつき左足の骨に異常があり、立っている時も歩いている時もだらしなくぶらぶらさせていて、持ち上げられた蛙に似ているのである。  それについて、僕自身は特段思うところはなかった。確かに蛙に似ていたし、好きに笑わせておけば丸く治る。それよりも、母の体が心配だった。  父が流行病で亡くなった後、母は一人、細い体で大黒柱として家を支えていた。少ない金を稼ぐために昼夜働き、足りない分は近所に借りて回っていた。  そんな母に、僕はわがままを言ってしまった。 「自転車がほしい」

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Kakuyomu
Kakuyomu07/27/2026
  • Current自転車