Synopsis
児童養護施設で育った三上悠斗は、二十一歳で初めての一人暮らしを始めた。
ところが、一合しか米をといでいないはずの炊飯器が、毎朝きっちり二合の飯を炊く。
古い炊飯器の故障なのか。施設の炊事当番で身についた身体の癖なのか。
神宝町の拝み屋・慈恩は、炊飯器のコンセントを抜き、米びつを空にして眠るよう告げる。
それでも翌朝、炊飯器には温かい二合の飯が炊けていた。
残っていたのは死者の念ではない。
悠斗自身の身体が覚えていた、誰かと向かい合って食べた時間だった。
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