Synopsis

「それでは……竜前咲哉、参るっ」  よく分からない掛け声と共に咲哉がぐっと身をかがめる。そして床からの反発を利用して高く跳躍した。  膝から生み出された力が指先まで伝わる様子が、まるで色を伴って可視化されているかのようにはっきりと見て取れた。そしてボールは咲哉の指先から射出され、しばらくの間重力に逆らって上昇していった。  一連の動作はスローモーションのようにのどかの視界に映った。もちろんそれはのどかの脳内が生み出した錯覚なのだが。  ──綺麗なフォームだ。  のどかが真っ先に思ったことはそれだった。あまりにも綺麗で見惚れてしまって、しばし呼吸も瞬きも忘れていた。

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Kakuyomu
Kakuyomu07/18/2026
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