Synopsis

気がついたら目の前に、立派な旅館の朝ごはんが並んでいた。別に、旅行に来て旅館に泊まったわけではない。昨日は居酒屋で会社のクズ上司をディスりながら飲んでいたのは覚えている。けれど、なぜこんなところにいるかは皆目見当がつかない。  いや、皆目見当つかないは訂正する。床も壁も天井も白く、ドアがどこにも見当たらないここは今ちまたで流行の『○○しないと出られない部屋』だというのは理解する。なんでそんなものが存在するのか、一説では金持ちの道楽との話もあるが理由はわかっていない。しかし今はそんなことはどうだっていい。問題は目の前の、朝ごはんだ。  朝ごはんの横には、【完食しないと出られません】と書いたメモが置いてある。話に聞く限りではこの部屋にはふたりで閉じ込められ、……その、なんだ。〝ソウイウ〟行為をしないと出られないはずだ。なのに俺はひとりで、朝ごはんを完食しないと出られない部屋に閉じ込められている。

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Kakuyomu
Kakuyomu06/18/2026
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