Synopsis

海沿いの田舎町、星見町。 夏になると、町の空には淡く光る星――エフェメラが現れる。 主人公・寺尾昇は、ゲームシナリオライターになる夢を諦めかけた青年。 仕事にも創作にも疲れ、書きかけの物語だけが、古いノートの中に残されていた。 ある日、昇は廃校の屋上で、不思議な少女と出会う。 少女の名前は、天宮リセ。 明るくて、少し変で、よく笑う。 けれど彼女は、夕暮れになると必ず空を見上げていた。 「わたしね、夏が終わる前に、思い出さなきゃいけないことがあるの」 星見町には古い言い伝えがあった。 夏の終わり、エフェメラの光が空に満ちる夜、 忘れてしまった大切な記憶を一度だけ見ることができる。 リセと過ごす夏の中で、昇は少しずつ創作への想いを取り戻していく。 廃校、海辺、夕焼けのバス停、誰もいない放課後の廊下。 止まっていた時間が、彼女の笑顔で動き始める。 だが、リセには秘密があった。 彼女は人間ではなく、かつてこの町で失われた願いから生まれた、夏だけの存在だった。 エフェメラの夜が終われば、彼女は消える。 記憶からも、記録からも、世界からも。 昇は最後の夏に、ひとつの物語を書き始める。 リセが確かにここにいたことを残すために。 そして、自分自身がもう一度、生きるために。 これは、夢を諦めかけた青年と、夏だけの少女が出会った、 儚くて、まぶしい、ひと夏の物語。

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou06/18/2026
  • Current夏空のエフェメラ