Synopsis

三年前、中東の乾ききった砂漠で、島崎海斗は親友のカメラマンと、彼が遺した懐中時計と共に自分の時間を止めた。 「午後二時十四分」から一秒も進まない時計と、埃を被った一眼レフカメラ。日本のまとわりつくような湿気の中で過去の幻影に苛まれながら、海斗はギリギリのところで立ち尽くしていた。  しかし、深夜の踏切を駆け抜ける圧倒的な「現在」の質量と、古い時計屋の職人のシワだらけの手が、止まっていた彼の人生の歯車に静かな油を注いでいく。  不器用な大人のトラウマと、職人の手仕事を介した静かな再生を描くヒューマンドラマ。

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Kakuyomu
Kakuyomu06/17/2026
  • Current015『硝子の壁』