Synopsis

王宮礼典課の事務官リナリアは、建国記念舞踏会の席次表を担当していた。 係争中の貴族、離縁協議中の夫婦、服喪中の家、食物禁忌を持つ隣国使節、王族待遇が必要な賓客。 それらをすべて確認し、何も起きないように席を組むのが彼女の仕事だった。 だが、礼典長補佐と華やかな侯爵令嬢は言う。 「席次表なんて、名前を並べるだけでしょう?」 リナリアは最終確認から外される。 彼女は一度だけ確認した。 「本当に、私の最終確認なしで提出してよろしいのですね?」 そして舞踏会当日。 社交界の地雷は、すべて踏み抜かれた。 係争中の貴族が同席し、離縁寸前の夫婦が同卓になり、服喪中の家には真紅の薔薇が置かれ、蜂蜜を口にできない隣国王族には蜂蜜菓子が出される。 助けを求められたリナリアは、静かに答えた。 「私は最終確認から外されております。権限のない者が、王宮舞踏会の席次を動かすことはできません」 これは、名前を並べるだけだと言われた事務官が、自分の仕事の価値と責任を取り戻す話。

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou06/16/2026
  • Current席次表なんて名前を並べるだけだと言われたので、最終確認を外れました——王宮舞踏会が大炎上しても私の責任ではありません