Synopsis
翻訳者・原健司は、燃え盛る図書館で四百年前の写本を守ろうとして死んだ。
目覚めた先は、《言葉が現実を編む》異世界アレニア。神の名前が崩れ、「収穫」という単語が壊れて畑が枯れ、人々は自分の名前さえ口にできなくなった世界。
そこで俺に与えられた肩書きは――《翻訳者》。
失われた言葉を取り戻せる、ただ一人の人間。ただし代償は、俺自身の語彙。
ひとつ翻訳するたび、俺の中から単語がひとつ消える。
最後の言葉を失ったとき、俺は「さようなら」さえ言えなくなる。
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