Synopsis

【登場人物】 ◯南辰之助少佐  元幕府旗本の家系出身の陸軍少佐。27歳。日露戦争開戦前に上海の租界の動静を探る任務を帯びる。 ◯クラーラ・ファン・デル・メルウェ  ヘレナの若い叔母。27歳の美女。南の正妻(戸籍上)。ボーア人の血を引く金髪碧眼の美女。アフリカで南とヘレナの関係を知りつつ肉体関係に加わり、現在も南とヘレナを共有。 ◯ヘレナ・ファン・デル・メルウェ  英国とのボーア戦争で没落した農園領主の娘。南アフリカのボーア人(アフリカーナー)、南の養女(戸籍上)。17歳。クララの姪で、ボーア人の美貌を持つ。アフリカで南と最初に肉体関係を結ぶ。 ◯アビツェ・ケベデ  12人兄弟姉妹の三女、南少佐のメイド ◯マリアム・ケベデ  12人兄弟姉妹の六女、南少佐のメイド ◯アブドゥル・ハッサン  エチオピア、アジス・アベバの商人 【あらすじ】  1904年、ロシア帝国と日本との軋轢が高まり、2月8日、旅順港に停泊中のロシア軍艦に日本の水雷艇が奇襲攻撃(宣戦布告は10日、ただし最後通牒は6日に手交されていた)し、日露戦争が始まった。  太平洋艦隊と日本海軍はほぼ同等の戦力で、ロシア海軍はバルト海所在の艦艇をも加えることで戦力的に上回ることを図り、第二太平洋艦隊を編成して極東方面に増派することを5月に発表した。司令長官には侍従武官であったジノヴィー・ロジェストヴェンスキー少将(航海中に中将に昇進)が任命され、主力たるボロジノ級戦艦の完成を待ち10月に出発した。  翌年、1905年、旅順要塞の陥落により旅順艦隊が壊滅すると、バルト海艦隊の残りの艦からさらに第三太平洋艦隊を編成し、2月に極東へ送り出した。この結果、ロシア海軍は黒海の外に出撃できない黒海艦隊を除いて戦力のほとんどが日露戦争に動員されることになった。日本ではこれら第二・第三太平洋艦隊を指して「バルチック艦隊」と呼ぶ。  日露戦争開戦の三年前、1901年。大日本帝国陸軍参謀本部は、南辰之助少佐を在エチオピア日本大使館の駐在武官とし、アフリカ方面諜報担当を拝命、アジス・アベバに派遣した。  南の任務は、日露戦争開戦時には、バルチック艦隊がアフリカ沿岸を通過する可能性を見据え、マダガスカル島からコンゴ、中央アフリカに至る広範囲の動静を探ることだった。ロシアの野心がアフリカにも及んでいる中、彼の目は鋭く諸国の情勢を見据えていた。  アジス・アベバでホテル住まいを止め、コロニアル風邸宅を借りて住むことにした南は、商人アブドゥルからエチオピア人の漆黒の肌を持つ官能的な姉妹、アビツェとマリアムをメイドに雇うことにした。  エチオピアの風習では、メイドは主人の夜の相手も務めることが暗黙の了解だった。姉アビツェは言葉なくとも夜な夜な南の寝室を訪れ、最初は戸惑い拒んだ彼を、蠱惑的な仕草と熟練した愛撫で虜にしていった。南は任務に厳格な軍人だったが、彼女の熱い肌と甘い吐息に抗えず、やがてその関係を受け入れた。それを覗き見た妹マリアムも南に関係を迫った。  商人アブドゥルは、「没落したボーア人の家の一人っ子の17歳の嬢ちゃんがいるんですがね、金髪碧眼、英国系の美少女ですわ。旦那さんももう一人くらいメイドを雇っても家事仕事はおありでしょう?」と言われ、その少女、ヘレナ・ファン・デル・メルウェを雇ってしまった。  彼女は、17歳とは思えぬ落ち着きと気品を漂わせていたが、その清楚な外見の下には、鋭い知性と狡猾な野心が潜んでいた。エチオピア人姉妹との軋轢をうまくかわして、姉妹を操りだす美少女。

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Kakuyomu
Kakuyomu06/13/2026
  • Current🅁「🥀南少佐クロニクル」没落したボーア人の少女ヘレナ・ファン・デル・メルウェと叔母のクララ、エチオピア人のメイドたちの織りなす日露戦争開戦前の世界