Synopsis

宵待七実(よいまち ななみ)、十六歳。 彼女には、ちいさな呪いがある。 七実と長く話した人は、かならず──ほんとうに好きな相手を思い出してしまう。 だから彼女は、誰かの一番にはなれない。 確かに男子に告白されたことは、ある。三回。けれど三回とも、相手は数日のうちに「ごめん、やっぱり別の人が好きだった」と消えていった。 七実が誰かの心の鏡になるとき、その鏡には、彼女ではなく、彼女の隣にいるはずだった誰かが映る。 それでも七実は、笑って言う。 「いいよ。わたし、君の二番目でも」と。 そんな彼女が出会ったのは、屋上の手すりに腰かけて、煙草の代わりにキャンディを舐めていた同学年の問題児──斯波透夜(しば とうや)。 「俺さ、誰のことも好きにならないし、誰のことも、ちゃんと覚えていられないんだ」 一番を持てない少年と、二番目にしかなれない少女。 ふたりはある日、奇妙な「契約」を交わす。 きみがわたしを忘れるたびに、わたしはきみに、もういちど恋に落ちさせてあげる──。 これは、誰かの代わりになることでしか生きられなかった少女が、はじめて「自分」を望まれるまでの、湿った雨と、甘いキャンディと、ちいさな嘘でできた、青春の物語。

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Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou06/11/2026
  • Currentきみの二番目になれるなら、わたしは一番じゃなくていい。──宵待七実は、今日もだれかの「ほんとうに好きな人」を思い出させてしまう。