Synopsis
高校生の景司は、祖父から「ため息は命を削る鉋のようなものだ」と教えられる。その言葉が妙に心に残った景司は、自らに“ため息禁止令”を課し、ため息を吐かない生活を始める。しかし人生は思うようにいかない。試験の失敗、進路への不安、人間関係の悩み。さまざまな出来事に直面するなかで、景司は「ため息を吐かないこと」だけが正解ではないと気づいていく。
やがて図書室で、悩みを抱えながら日々ため息を吐く少女・沙織と出会う。彼女との交流を通じて、ため息は弱さの象徴ではなく、心が押し潰されないための小さな逃がし口でもあることを学ぶ。そして大学進学後、今度は明るく振る舞いながらも家庭の事情に苦しむ真理と出会う。二人が始めた「ため息貯金箱」は、多くの学生たちの共感を呼び、やがて大学教授を巻き込む研究へと発展していく。
笑いあり、悩みあり、成長あり。ため息を嫌っていた少年が、人の弱さと優しさを理解していく青春小説である。
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