Synopsis
毛糸メーカー勤務のOL・宮野紬、二十八歳。唯一の肉親だった祖母を亡くしたその夜、遺品の「編みかけのマフラー」を握った瞬間、剣と魔法の異世界『ヴェルダ』へと転移してしまう。
救世主として期待される転移者――しかし水晶に映し出された彼女の能力は【戦闘力:0】【魔力:0】、そしてスキルは【編む】。冒険者ギルドの嘲笑の中、紬は「外れ」「掃き溜め行き」と切り捨てられ、雑用係へと追いやられてしまう。
それでも彼女は、祖母が遺した竹の編み針を握りしめ、夜ごと糸を編み続けた。「編み物は、一目ずつ祈りを込めるんだよ。だから手編みは強いの」――かつて祖母から教わった言葉とともに。
ある夜、路地裏で震える少女に手編みの手袋を差し出したとき、奇跡が起きる。装備に宿る、見たこともない加護の数々。前世で覚えた編み図の知識が、そのまま最強の防御を生み出す魔法回路だったのだ。
ケーブル編みは物理防御、ガーター編みは魔法防御。一目ごとに込められた祈りが、人々を救い、凍てついた心をほどいていく。
戦闘力ゼロのOLが編む、世界最強の防御結界。誰かが暖かくありますように――そう願いながら、紬の物語は今、編みはじめられる。
心温まる、お仕事系スローライフ異世界ファンタジー。
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