Synopsis
「君には心がない。湖のように冷たく、何も映さない」——王太子エドワードから婚約破棄を告げられた侯爵令嬢リディアーヌ。三年間、別荘の管理から社交界の根回しまで全てをこなしてきた彼女は、泣き縋ることも激昂することもなく、ただ静かに「お言葉に甘えて」と一礼した。王太子が知らないことがある。この別荘の所有権がリディアーヌの家にあること。そして何より——湖の底に眠る聖遺物と、王国の結界を密かに維持してきたのが彼女だということを。「湖の巫女」として母から受け継いだ使命を、誰にも知られず果たしてきた日々。けれど、もう終わり。彼女が去った瞬間から、王国の結界は崩壊を始める。慌てて呼び戻そうとする王太子。しかし時すでに遅し。リディアーヌの価値を見抜いた隣国の王子アレクセイが、彼女を『至宝』として迎え入れることを決めていた。「俺の国に来てほしい。君という存在そのものを、至宝として」湖は全てを映す。人の本質も、その行く末も。冷たいからこそ、全てを浄化できる。——そして最後に笑うのは、湖の方。因果応報と真実の愛を描く、痛快逆転ファンタジー。
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