Synopsis
ダンジョン第十二層。 俺は血まみれで倒れていた。
仲間だと思っていたパーティは、強敵《深層喰らい》との戦闘中、俺を囮にして逃げた。
「荷物持ちなんて、死んでも代わりはいる」
最後に聞こえたのは、リーダーの冷たい声だった。
視界が暗くなり、意識が遠のく。 だがそのとき、背負っていた巨大なバックパックが淡く光を放った。
──荷物持ち専用スキル《収納の深淵》が覚醒する。
バックパックの中から、これまで“運ぶだけ”だった武器や魔道具が浮かび上がり、俺の周囲を回り始めた。
「……なんだ、これ……俺のスキル、こんな力が……?」
死の淵で初めて知る。 荷物持ちという職は、ただの雑用ではなかった。
それは、 世界のあらゆる“力”を扱うための、最も底にして最も深い職業。
裏切られ、捨てられ、死にかけたその場所で、俺はゆっくりと立ち上がる。
「……いいさ。全部、俺が拾ってやる」
荷物持ちの反撃が、ここから始まる。
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