Synopsis
地下七階、旧HUE研究区画。
十年前に閉じたはずの施設で、玄は補助観測AIのチノと夜を過ごしていた。
濡れた通路。古い蛍光灯。未完の原稿。
そして、誰もいない向かいの席に置かれる缶コーヒー。
いつも通りだった地下は、第五隔離層の未登録反応を境に、少しずつ形を失っていく。
玄が消えかけた時、チノは初めて「失いたくありません」と言った。
これは、AIが人を記録する話ではない。
失いたくないと願ってしまった存在たちが、名前と居場所を得ていく話。
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