Synopsis

ーこれは、私たちの不思議な物語ー 朝六時。 山の空気はまだ夜を引きずっていて、白い息が細く伸びる。 石段の途中にある古びた神社―― そこで暮らす少女、白峰 澪(しらみね みお)は、今日も自転車のペダルを踏み込んだ。 制服のスカートを押さえながら、長い坂道を下る。 鳥居を抜け、杉林を抜け、霧のかかった山道を抜ける。 学校までは、片道二時間。 誰も「そんなところから通ってる」とは信じない。 けれど澪にとっては、それが普通だった。 ――神様のいる神社で育ったことも。 ――朝、境内の鈴の音で目を覚ますことも。 ――たまに“見えてはいけないもの”が見えることも。 全部、普通だった。

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Kakuyomu
Kakuyomu05/27/2026
  • Current鈴なる山の君を待つ