Synopsis
「私が、祖母のスープに薬を混ぜて殺しました」
19歳の朝倉雫(しずく)が語った自白は、あまりにも淡々と、そして完璧だった。
高校を中退し、認知症の祖母を一人で介護していた過酷な現実。世間は彼女を「悲劇のヤングケアラー」と同情し、事件は哀しい介護殺人として幕を閉じるかに思われた。
だが、現場に駆けつけたベテラン刑事・笹本は、残されたカボチャのスープの「不自然な味」に、言葉にできない違和感を抱く。
そこへ怒鳴り込んできた、長年音信不通だった伯父・貴史。
漣を「遺産目当ての人殺し」と激しく糾弾し、厳罰を求める貴史だったが、捜査が進むにつれ、朝倉家がひた隠しにしてきた「暗い過去」と「血の嘘」が剥ぎ取られていく。
なぜ、雫は完璧な自白をしたのか?
冷え切ったスープの奥底に隠された、あまりにも凄絶で、温かい「母の残り火」の正体とは――。
泥を被った加害者の少女と、激しい憎悪の果てに「真実」と対峙する被害者遺族。
剥き出しの人間性と、狂気的なまでの愛が交錯する、骨太な社会派ミステリー。
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