Synopsis

中村亮は、前世で何者にもなれないまま死んだ。 目を覚ました先は、剣と魔法の異世界。 だが、そこに女神はいなかった。祝福もなかった。勇者として迎えられることもなかった。 あったのは、拘束具と、書類と、前世問診だった。 この世界にとって、転生者は未知の奇跡ではない。 発見され、保護され、問診され、前世の知識や経験、そして発現した能力によって等級を与えられる。 医師は医療知識で重宝される。 軍人は戦場経験で迎えられる。 技術者は技術で価値を示す。 前世で何者でもなかった者でさえ、強い能力を引けば勇者や聖女として扱われる。 亮に下された判定は、C級。 能力は、魔法効果の無効化。 一見すれば強力なその力は、制御が粗く、味方の魔法すら巻き込む扱いづらいものだった。 無能ではない。 だが、英雄でもない。 それでも亮は、自分にはまだ意味があるはずだと考える。 自分をC級と呼んだ世界に、この能力の価値を認めさせようとする。 だが、世界が彼を正しく見たのは、英雄としてではなかった。 高位神託者への敵意。 魔法契約、加護、封印、神託兵器への干渉能力。 そして、本人がその価値を理解し始めているという危険性。 やがて世界は、C級転生者・中村亮をこう記録する。 第二の魔王候補、と。

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Kakuyomu
Kakuyomu05/20/2026
  • Current英雄を夢見たC級転生者を、世界は魔王と呼んだ。