Synopsis
結婚三十年。
かつて毎日「愛してる」と囁いていた美青年は、いつの間にかソファに棲みつく妖怪へと進化していた——。
脱ぎ散らかされた服。 深夜の冷蔵庫漁り。 「おう」だけで成立する謎の会話。 そして毎日響き渡る放屁。
だが、そんな妖怪にも時々役に立つ日がある。 無駄に高いDIYスキル。 なぜか昔のままの白く綺麗な肌。 そして、長年一緒にいるからこそ分かる、不器用な優しさ。
呆れながら、 笑いながら、 気づけば今日も一緒に生きている。
これは、 “かつて王子様だった夫”を観察し続ける妻の、 愛と諦めに満ちた妖怪飼育日記。
調べれば、すぐ答えが出る時代。
レビュー、 比較サイト、 AI、SNS、 検索。
最短で正解へ辿り着ける便利な世界。
だが、その正しさが本当に今、必要ですか?
空気より検索結果。 感情よりエビデンス。 共感よりコスパ。
悪気はない。 むしろ親切。
ただ少し、 「今それ言う?」 なだけである。
小さなググ男から大人ググ男まで今日もググ男はスマホを掲げる。
「ちゃんと調べた?」
これは、 情報社会が生んだ現代人の物語。
そして、 たぶん少しだけ、 あなたの話でもある。
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