Synopsis

女子の制服は、思っていたより重かった。布の重さではない。視線の重さだ。 高校一年の夏。夏希は三週間の欠席を経て、女子の制服を着て教室へ戻る。胸元のリボンを何度も結び直した朝から、彼女の時間はもう、普通には流れない。 戸惑いながら受け入れてくれるクラスメイト。何も言わずに隣を歩く由美。いつものふざけ方の奥に、言えない気持ちを抱えた直人。そして、ぶっきらぼうな優しさで「リボン、似合ってる」とだけ言う沙織――。 自分の体を、名前を、これからを。決めきれないまま、それでも一日ずつ積み重ねていく。痛みも、温かさも、まだ言葉にならない揺れも、ぜんぶ抱えたまま進む、ひと夏の物語。

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Kakuyomu
Kakuyomu05/31/2026
  • Currentリボンの向こう側