Synopsis
それは、よくある断罪劇のはずだった。
王太子の断罪のレチタティーヴォがはじまり、
可憐な男爵令嬢による落涙の小アリアが鳴る。
婚約者たる公爵令嬢は罪を認め、涙ながらに悔い、舞台から退く。
そういう、ありきたりの筋書きを辿るはずだった。
けれど、彼女は反省しなかった。
大広間に、悪役令嬢のコロラトゥーラが響く。
高笑いは怒りとなり、誇りとなり、断罪劇の主旋律を奪い返す。
誰がこの場の主役なのかは、明らかだった。
だから、音楽が鳴った。
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