Synopsis

「お姉様。王太子妃教育を、わたくしに譲ってくださらない?」

妹ミレーヌにそう言われ、王太子ユリウスにも「民に愛される妃はミレーヌだ」と告げられた公爵令嬢アレシア。

三年間、王太子妃候補として王宮の予定表、謁見、茶会、外交使節、予算調整まで支えてきた彼女は、怒ることなく静かに答えた。

「承知いたしました。すべてお譲りいたします」

華やかな地位だけを望んだ妹は、赤字と青字で埋まった予定表を「見苦しい」と言い、白紙の予定表から始めようとする。

そして三日後。
王宮の予定表は、本当に真っ白になった。

外交使節の歓迎式、王妃の慈善茶会、地方貴族の謁見、王太子の視察。何も決まらず、誰も動けない。

ようやく王宮は気づく。
紙と数字ばかり見ていると笑われたアレシアこそが、王宮を回していたのだと。

けれどアレシアは、もう王太子妃候補として戻るつもりはない。
彼女の能力を正しく評価した若き宰相兼王弟殿下レオンハルトは、アレシアを「便利な裏方」ではなく、正式な補佐として迎えようとする。

一方、妹と王太子は、読まなかった引き継ぎ箱と、捨てた予定表と、軽んじた責任の重さを思い知ることになる。

譲っただけです。
ですが、その後どうなったかまでは、私の責任ではありません。

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Alphapolis
Alphapolis05/28/2026
  • Current妹に王太子妃教育を譲れと言われたので譲りました。ですが三日後、王宮の予定表が真っ白になったそうです