Synopsis
三浪の末、高橋萌は合格通知を手に朝のポストから取り出す。喜びの直後、見知らぬ番号からの着信で親友・中村志保の交通事故死を知らされる。事故直前、志保から届いた「今日、結果出るんだよね。絶対サクラサク。おめでとう、先に言っとく」のメッセージが胸をえぐる。
高校時代から同じ大学を目指した二人は、一・二浪でも共に不合格。一年目の深夜、志保が駆けつけ公園のブランコで肩を寄せ合う。二年目、志保は「三度目の正直」と笑う。志保は萌の迷いを断ち切り支え続けたが、二年目で受験を断念し就職。就職後も模試の度「次は上がる」と言い切り、萌の合格を信じ抜いた。
葬儀後、入学期限迫る新幹線で東北の合格大学へ単身北上。地元で散りゆく桜が満開に戻る逆行する春に志保の不在を痛感し、桜並木を避けアパートで孤独と向き合う。入学式前日、雨の桜並木で三年の重圧と喪失が涙と共に溢れ、ようやく泣き果てる。
入学式後、残る桜を「きれいだ」と初めて思う。志保の「サクラサク」が現実となり、未送信の返信下書きを残したまま前を向く。散る桜と残る桜の中で、志保が信じた場所で萌として生き始める春が訪れる。
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