Synopsis

雅(みやび)な京都の裏側には、忘れ去られた「闇」が溜まる場所がある。 「京都には、決して開けてはならぬ『忌み』の蔵があるのです」 茶房「鈍色(にびいろ)」を拠点とする、骨董鑑定士・烏丸慎三郎。 雪のような白い肌に漆黒の着流しを纏い、ビスクドールを彷彿とさせる美貌を持つ彼は、ただの鑑定士ではない。 彼が扱うのは、血塗られた因縁、人の情念が封印された「忌み蔵」の中に眠る数々の品。 民俗学を専攻する活発な女子大生・蓮宮咲希を助手に、慎三郎は京都各地に眠る蔵の扉を開く。 そこに眠るのは、一族を呪う血の連鎖か、美を追求した女形の狂気か、あるいは香司が仕掛けた蠱毒の罠か。 「わたしに宿る能力は、すべての『忌み』を鎮める力なのです」 怨念を祓うのではなく、その価値を認め、理(ことわり)を解き明かして鎮める慎三郎。 古都を舞台に描かれる、耽美で凄惨な本格ホラー・ミステリー。 【本作の魅力】 骨太な怪異譚: 能、花街、歌舞伎、伝統工芸……京都の文化に根ざした「因習」をリアリティに描写。 対照的なバディ: 汗ひとつかかない冷徹な美青年・慎三郎と、行動力抜群の女子大生・咲希の掛け合い。 横溝正史的な美学: おどろおどろしいホラーでありながら、残酷な中にもどこか「救い」や「美しさ」が残る結末。 【収録エピソード】 一ノ蔵:血の連鎖(大道寺家の呪い) 二ノ蔵:幽玄の残月(偽りの宗家) 三ノ蔵:紅の化粧箱(女形の哀しい願い) 四ノ蔵:業泥(ぎょうでい)の胎内(秘仏の中には) 五ノ蔵:透徹(とうてつ)の白肌(白と赤の日本画) 六ノ蔵:人皮の系譜(汚れ役の記録) 七ノ蔵:幻声の呪縛(蔵語りの謎) 八ノ蔵:比翼の金屏風(花街心中) 九ノ蔵:影写しの手鏡(忌み物鎮め) 十ノ蔵:閉ざされたステージ(池田屋階段落ち) 十一ノ蔵:蠱毒(こどく)の蔵(香司の野望) 「さあ、ともに蔵の中へと参りましょう」

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Kakuyomu
Kakuyomu04/26/2026
  • Current忌み蔵の理(ことわり)