Synopsis
過労死して、悪役令嬢エリーゼに転生してしまった。
華やかな舞踏会の夜、王子から婚約破棄を突きつけられる。
その瞬間、前世の記憶が戻ってくる。
社畜だった日々、辞表を書けなかった朝、倒れたあの会議室。
目の前の断罪よりも、胸を占めたのは違う感情だった。
──やっと、休める。
そこへ、辺境伯ギルベルトが契約結婚を申し込んでくる。
条件はただ一つ、家の体裁を整えるだけでよい。
差し出された契約書には、なぜか夜伽義務の条項が、先に線で消されていた。
辺境の屋敷で、私は毎朝、違う色の花束に迎えられる。
一度も、同じ色が重ならない。
そして、どの花も、私の誕生月にしか咲かないものばかりだった。
寡黙な夫は、多くを語らない。
けれど彼の指先は、私の知らない場所で、何度も迷う。
契約、のはずなのに。
この結婚は、本当に、体裁のためだけなのか。
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