Synopsis
「家格の違いは、もうこれ以上見過ごせない」
五月の夜会。婚約者ファルザードに、そう告げられた。
私は微笑んだ。扇を下ろした。
「お別れに、どうかこの花束をお納めください」
白百合、銀蓮花、黒ダリア、枯れた月桂樹。
翌朝、王家花園に同じ花束が押し花で届き、
三日後、王都の新聞は一面で禁制植物の密輸摘発を報じた。
花の賢者一族にだけ読める、四つの花の告発文。
涙も叫びも要らない。
花は、ただ本当のことを映すだけ。
父の失踪から三年。
静かに動き始めた、ひとりの令嬢の復讐譚。
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